では、問題の多い日本経済の回復に対してどのような解決策があるのか? 前回 前々回と書いてますがこの事は結局日本の製造業をどう立て直すか?もちろん農業も広い意味で“もの作り”という意味では同じですから農業含めてどう立て直すか、そして成長方向に転換していくかと言う問題になります。
私の考えは、結論から言えばダイナミックな解決策は無い、と言うのが結論です。もちろん全く無いのではなく、カンフル剤的な方法、漢方薬の様な方法など様々ありますが、どれ一つとして一気に抜本的に解決するような方法はないと言う事です。
カンフル剤的な方法は行政による制度資金融資などの支援等と言うことになります。しかしこれはあくまでも短期的な解決策で、どちらかというと対応策と言える方策です。
従って今回の話はこの事は外して進めます。
では漢方薬的な方法で改善する方法ですが、これはかなり時間と諸々の条件が必要です。
その方法は以下の通りです。
基本的に日本の経済を外需(貿易)に頼らず内需主導で行う。昔から言われていることですが基本的にはこれしかありません。そのためには日本人の価値観を、安いものから良いものがいいという転換を行う、この事しかないと思っています。
一つその例を書きます。先日あるお弁当屋さんに食材を卸している商社の方と話したらこんな事を言ってました。
「お客さんお要求の価格で納めるには結局中国の食材なんですよ、でも絶対安心とか安全とか言えないんで嫌なんです。でも日本の食材は高くてダメなんです。」と。
こんな話は今の日本中どこにでもある話です。農産物に限らず工業製品でも同じです。ありとあらゆるモノが価格差によって海外の製品・産物に押されてしまっています。しかしその海外のモノを買っているのは生活に困窮している日本人なのです。つまり価格重視の購買行動がある限り日本製のモノはいずれ排除されていきます。
海外との価格差は工業製品・農業製品それらに限らずかなりあり、純粋に価格だけで購買を決定すれば恐らく日本製品は数年後には市場から消えてしまうでしょう。でもその時は日本経済も消えて無くなる と思います。いやそんな事はない、安いものを売っているドンキホーテは残るよ。と言う人もいるでしょうけど、そういう店の顧客のほとんどは若い人で、その多くは派遣であったりアルバイトであったりと言う非正規のワーカーです。もちろん公務員も商社マンもいます、でも彼らは日本経済の流通とか金融とか、そしてその結果得られる税金で生活をしているのです。そしてドンキホーテで売っている製品のほとんどは中国をはじめとした海外の製品です。従ってこの事は2回書いてますが農業 製造業が成り立って始めてできる生活なのです。
では値段は高いけど日本製品を買え! と言ってもそれは経済の基本的な流れからして無理があります。ではどうするか? つまり購買という行為の根本的にある、価格に対しての価値の意識を変えるしかありません。分かり易く言えば「安物を買って消費する、大量消費大量廃棄から、良いものを買って大事に使う」こういった生活スタイルに日本人の意識を変えるしかありません。そしてその良いものとは日本製の製品である、と言う事です。
一つの例がここ数年デジタルカメラで高級機種と言われる一眼レフや高級なコンパクトカメラが売れています。中には10万円を越えるコンパクトカメラもあります。これなど中級の一眼レフカメラより値段が高くなります。しかしリタイアした団塊の世代を中心によく売れているようです。でもデジカメ市場を見れば1万円以下のカメラも多く販売されており、値段だけで考えればその十倍もするカメラが売れる理由は本来ならありません、しかし「安いカメラじゃなく良いものを一つ欲しい」そんな購買行動がこの手のカメラが売れている原因なのです。
そしてもちろんそのカメラは日本国内の製品です(海外の製品もありますけど・・・)
車もその例に該当します。ドイツやイタリアの車も人気がありますが、やはり圧倒的に売れているのは日本の車です。韓国からも輸入されていますけどやはり売れているのは日本車です。長い間乗っていて故障しない、サービスネットワークがしっかりしているなどなど車という見かけと価格だけでなく、安心と言う大きな要素があるモノは圧倒的に日本製が有利です。ある意味数千万円もするイタリアの車が売れるのも同じ事が言えます。
このように日本人が日本製品を購買する、かなりうち向きな解決策ですがこれしか方法はありません。もちろん中小の製造業の企業が独自の技術を磨く事や、新分野への挑戦等と言ったことも当然必要ですが、それはテレビの特番では取り上げられても日常の日本の平均的な製造業でできる話ではありません。
行政で言えば、たとえば役所で使うコピー用紙はよほど値段が違わない限り地区内の商店から購入する、それが強いては税金となって地域に還元するそう言う発想がないといけません。
もちろんこの事は大きな意味では縮小再生産に陥ります、そこでたとえば素材とか超精密加工とか、国際競争力のある分野は一段と海外進出をするべきだと思います。
しかし現実日本の経常収支は貿易収支と言うモノの売買の収入と資本部分の取引である所得収支を比べれば圧倒的に、投資や資本の回収とかである所得収支が大きな黒字になっています。大きな意味ではモノを売らなくても日本は経常収支赤字にはなりません。
TPPの時の話で産業界から貿易立国の日本が参加しなくて、と言われますがすでにモノの貿易面では日本は貿易立国ではありません。そして売れている日本の製品は日本でしか作れないから売れているのであって価格競争力があるから売れているわけではないのです。ですから韓国や他の国々と性能的に横並びのテレビ等の電化製品もかつては貿易の花形でしたが恐らくこれらはもう輸出産品では無いはずです。ここを冷静に産業界も分析するべきです。つまり今海外で売れている日本製品は日本独自の技術で出来上がった素材とか、日本人の感性が詰まった工業製品とか、そして安心安全な食品とかであり決して価格で優位性があって売れているわけではないのです。
ところでこれもテレビ番組での話ですが、今アメリカの開催されている自動車ショーで韓国の車が日本車を販売を脅かしていると言うレポートがありました。その根本的な原因は価格差とここ数年上がってきた品質と性能(デザイン)だと言うのです。そして韓国の自動車会社のトップは「いつ日本に追いつくか?」と言う問いに「すでに追いついている」というのです。しかしひいき目のせいか私のは韓国車が日本車と肩を並べているとは思えません。もちろん数年前より格段によくなっていることは事実でしょう、でも品質に対する考え方はまだまだ問題外だと私は思っています。韓国は日本をお手本として来ましたが、お手本として来た悲しさで越えることはできていないと思っています。もの作りに対する日本人の感性は早々簡単に越えることはできないと思っています。
そしてこの番組で気になるコメンテーターの一言が「日本で大事なのは成長戦略にいかに効率的な投資を行うかです。」というコメントを話してました。私は思わず「バッカじゃない?その成長戦略が何か示さないで投資を行う云々はないでしょ、問題は何が成長戦略なのかでしょ、それが決まれば誰だって投資するに決まってるジャン」 と思わずテレビに向かって話していました。(あああ 歳とったかな~)
要は何が成長戦略か誰も解らない、いや解っていても言えない、それは結果うち向きな事でしか解決しないから、決して景気のいい話でないからではないかと思います。
次回はもう少しこの事を書きたいと思います。
最近のコメント