連合ベア要求
先日連合が来年の春闘に向けて 定期昇給の維持と物価上昇分に応じたベースアップのを求めていく方針を決めた、と報道にありました。
私は小さいとはいえ会社の経営者ですからその立場で言えば「何を言ってるの」となりますが、そうでなく日本経済全体を考えればこの要求は大いに賛成です。
と言うのは先日も書きましたがおおかたの国のGDPの60%前後を占めるのは個人消費です、その消費の低迷が90年代以降の失われた10年を作り、その後も日本経済は欧米はもちろんのことアジア等の国の経済成長率の足もとにも及ばない数字しか出せませんでした。そして振り返るとこの間国内では給与所得はマイナスとなり、普通なら一年ごとに僅かでも上がる給与が下がっていくという珍現象が起きてしまいました。
この事が国内消費の低迷の大きな要因だと考えられます。
細かい数字やその間の出来事はあまりよく解りませんが、私はこれは日本の利益の分配率の大きな構造変化とグローバル化が原因と考えてます。
要素としてはグローバル化の方が大きいのでしょうけど、利益の分配の変化も見逃せないと思っています。
90年代バブル期以降日本では企業は株主への配当を増やしました。つまりそれまでの銀行・金融や保険業界は言うに及ばす企業間では安定経営を守るための株の持ち合いから、それぞれが低成長時代に入り本業の低利益に後押しされるように、株自体で利益を上げる投資型株式に変わったと思います、また個人では株を持って年金プラス株の配当で暮らしていくといった高齢者の経済から、ネットの発展も背景にあるのでしょうが個人投資という形で株式市場にお金が流れました。さらに加えて企業は海外からのM&Aに備え、また外国人の投資が増えた事も相まって株式配当を増やしてきました。
これは個人株主としては多くの株を持つ経営陣もこの流れに乗ったものと思います。
そうなると多くの利益のうちかなりの部分を株式の配当に回しますから、当然利益の中の従業員に回る分が押さえられます。もともと設備投資などに回る分は押さえるわけにはいきませんからどうしてもしわ寄せは従業員になってしまいます。
そして単価の高い正規の従業員では持ちこたえられないので最後は派遣や臨時と言った従業員の雇用でしのいできました。
これとグローバル化と共に始まった国際価格競争の激化が加わり昇給を押さえる、いやむしろ減少させる要因になったと思います。
今は大変な不況です、県職員さんやリタイヤされている方にはマスコミなどで知るしか実感として解らないかもしれませんが、企業にお勤めの方や経営者の方ならその切実さはご理解頂けるものと思います。少なくとも2000年頃のITバブルとは桁違いの不況です。そのような中、現実にはベアなど無理だと思います、しかし本当の豊かさを求め、日本を成長路線に乗せるにはとにかく国内消費を増やす事、それには圧倒的な人口の労働者の給与を増やす事、これに尽きます。連合の今回の要求はかなり現実には難しいとは思いますが、確かに不況対策ではあると改めて考えさせられました。
昨日県会で県職員の給与の減額についての質問が出されました。民間との格差や県民感情から理解は出来ますが、マクロで考えれば職員さんには給与を下げるのではなく、もらった給与を何とか使ってほしい、少なくとも貯蓄でなく消費するようお願いしてほしい、もっと言えば賞与の一部を県内のみで使える共通商品券で支給してほしい、しかも期限内有効の。そんな質問が出ればよかったかなと思いました。
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